【超上級編】GTO part2 〜混合戦略と純粋戦略〜

 

実際にGTOを見てみよう!

さて、前回はナッシュ均衡・エクスプロイト・GTOとは一体どんなものなのか、ざっくりと説明したよ。今回は具体的なGTOを一緒に見てみようか。

どんなGTOにするの?

プリフロップのBU vs BBにしようかな。BUがオープンしてSBがフォールド、そこでBBのGTOは?っていうスポットだね。すごくよくあるスポットだから、どんなGTO戦略なのか気になるんじゃない?

なるなる!

まずは場面設定を紹介するね。

  • スタックサイズはBU、BBともに1000(100bb)
  • BUのオープンサイズは35(ポットレイズ)
  • 3ベット、4ベット、5ベットのサイズはそれぞれ125、290、1000
  • 今回はPioCloudのプリフロップソリューション(レーキ3.5%14Cap)を使用

BUはどんなレンジでオープンしたの?

今回はこんなオープンレンジ(VPIP40)を想定したよ。

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これでGTOを計算する材料はすべてそろったね。さあ、これがBBのGTO戦略だよ。

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青がフォールド、緑がコール、赤がレイズ(3ベット)だよ。BBはこんなふうにプレイすれば、BUからエクスプロイトされることはないんだ。
例えば、A7oは青一色だから常にフォールドすべきみたいだね。TTは赤一色だから常に3ベット。
A5sは赤と緑が混じってるから、レイズでもコールでも良いんだってさ。でも、緑より赤のほうが幅が大きいから、3ベットをより頻繁にすべきみたいだよ。

へー。ふーん。・・うん。

やっぱ初めて見るとそういうリアクションになるよね。どう?何がわかんない?

なんかアクションが混じってるハンドがいっぱいあって、見てるとモヤモヤするなあ。もっと「このハンドは絶対こう!」ってパキッと教えてくれるのかと思ってたよ。

その複数のアクションが混じっているハンドが今日の本題なんだ。これを混合戦略っていうんだよ。逆に一つの色で塗られてるところは純粋戦略

混合と純粋かあ。ねえ、どうしてこんなふうに戦略が分かれてるの?

OK。次の章で詳しく説明していくね。

 

混合戦略ってなんなの?

さて、混合戦略と純粋戦略をどう考えればいいのか。ここではジャンケンを使って説明してみようかな。

グー・チョキ・パーのジャンケンだよね?

そうそう。チンアナゴちゃん、もしジャンケンでグーばっかり出す人がいたらどうする?

そりゃあ、こっちはパーをたくさん出すのがいいんじゃない?

うん、そうすれば相手をエクスプロイトできそうだよね。
でも、相手はチンアナゴちゃんの戦略を察知して、今度はチョキを多めに出してくるかもしれないよ。

じゃあ、私はグーを多めに出せばいいのかな。そうすると相手もそれに合わせて出す手を変えてきて・・・最終的にはグー・チョキ・パーを1/3ずつの割合で出すようになる気がする。あ、これがナッシュ均衡?

そう、それがジャンケンのナッシュ均衡で、混合戦略になってるんだね。
お互いにグー・チョキ・パーを1/3ずつの割合で出せば、相手にエクスプロイトされることはないんだ。

うん、直感的にはわかるんだけど・・・もっと詳しい説明が欲しいなあ。
ねえ、そもそもどうして混合戦略になるの?

一言で言えば、ジャンケンには手の相性があるからだよ。グーはチョキに勝てるけどパーには負けるみたいにね。
「グーしか出さない」みたいな戦略は相手にパーばかりを出される(手の相性をうまく利用される)から、エクスプロイトされてしまうんだ。

うん、そりゃそうだ。

逆に言えば、ジャンケンにエクスプロイトされないような戦略(ナッシュ均衡)があるのなら、それは必ず複数の手を混ぜて出すようになってるはずなんだ。そうじゃないと、手の相性を利用したカウンター戦略を必ず使われちゃうからね。

ということで、ナッシュ均衡にはそもそも混合戦略が必要不可欠なんだね。ジャンケンやポーカーのようなゼロサム・ゲームの場合は特にね。

 

混合戦略の最大のポイントは期待値!

さて、今までの話は入り口で、ここからが本題なんだ。混合戦略で一番大事なポイントだよ。

なになに?

混合戦略と期待値の関係だよ。part1で僕はナッシュ均衡をこう定義したんだ。
互いのプレイヤーが戦略を変更してもそれ以上期待値を上げることができない状態・あるいはその戦略の組み合わせのこと」。

うん、その「戦略を変更して期待値を上げること」を「エクスプロイト」っていうんだよね。

そのとおりだよ。だからこそナッシュ均衡は「エクスプロイトされない戦略の組み合わせ」になってるんだったね。

さて、じゃあ実際のところ、ナッシュ均衡に基づいた混合戦略を使ったとき、相手の戦略の期待値はどうなってるんだろう?
もちろん相手はいろいろな戦略を持ってるはずだけど、「戦略を変更してもそれ以上期待値を上げることができない」のだから、相手の戦略はすべて期待値が同じになってるんだよ。ここが重要なポイントなんだ。

うーん?ピンとこないなあ。ジャンケンで説明してみてよ。

OK。ジャンケンの戦略とはすなわち「グー・チョキ・パーの手を出す頻度」のことだよね。例えば、「グーしか出さない」「チョキ多め」とかね。

うんうん。

それらの戦略と混合戦略(グー・チョキ・パーが1/3ずつ)が戦うことを考えてみようか。例えば、「グーしか出さない」戦略vs混合戦略の期待値はどうなってるだろう?

えっと、「グーしか出さない」vs「1/3ずつグー・チョキ・パー」だよね?ってことは、グーしか出さない人は3回に1回はチョキに勝って、3回に1回はグー同士であいこ、3回に1回はパーに負けるはずだよ。

そのとおりだね。例えば勝ちを1点、負けを-1点、あいこはやり直し(0点)と考えるなら、「グーしか出さない」の期待値は1/3*1+1/3*0+1/3*(-1)=0なんだ。

お、ちょうどきれいにゼロになるんだね。

じゃあ次はこれ。2回に1回はチョキ、4回に1回ずつグーとパーを出す「チョキ多め」の戦略だとどうかな?混合戦略と「チョキ多め」が戦ったときの期待値を考えてみよう。
場合分けが多いから期待値を表にしてみたよ。

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ふむふむ。この表の数字を全部足してやれば「チョキ多め」の期待値が出るんだね。・・・ってあれ?これも全部足したらゼロになるよ?

そうなんだよ。混合戦略に対してどんな戦略を使っても、期待値は同じ(この場合はゼロ)になるんだ。*1

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そっか、これがジョーズくんが言ってたことなんだね。
ねえ、じゃあさ、相手に混合戦略を使われたらどうすればいいの?

相手がナッシュ均衡に基づいた混合戦略を使ってるなら、それに対してこちらはどんな戦略を使っても期待値は一緒なんだよね。だったら、こちらも混合戦略を使うしかないんじゃないかな。
どうせ期待値は一緒だけど、そのほうがエクスプロイトされる心配がないからね。

ふーむ、お互いが相手の戦略の期待値を全部一緒にしちゃうような混合戦略を使うってことか。まさに「均衡」なわけね。

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たくさん説明したから、ここで一旦まとめておこうかな。こんな話をしてきたよ。

 

GTOの特徴(2)

  • ナッシュ均衡(GTO)は適切な割合・頻度に基づいた混合戦略を必ず採用する。
  • 適切な割合・頻度に基づいた混合戦略は、相手の戦略の期待値をすべて等しくしてしまう。
  • ナッシュ均衡では、互いの混合戦略が相手の戦略の期待値をすべて等しくしてしまうので、互いのプレイヤーは戦略を変更することでそれ以上期待値を上げることができない。=ナッシュ均衡の定義の言い換え

 

ねえねえ、じゃあポーカーの混合戦略はどうなってるの?

そうだね、そろそろポーカーの話もしないとね。さっきのGTO戦略の混合戦略を一つピックアップしてみようか。

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A5sは赤(3ベット)と緑(コール)の混合戦略だったね。右下に書いてある数字がそれぞれのアクションの期待値(EV)なんだ。0.01のズレがあるのは計算上の誤差だよ。

3ベットとコールの期待値がほとんど同じになってるね。

混合戦略は相手の戦略の期待値を等しくするんだったね。A5sを常に3ベットやコールに回しても、それ以上期待値を上げることができないんだ。なぜなら、相手(BU)もGTO戦略に基づいた混合戦略を使っているからね。

逆に言えば、3ベットもコールも期待値は同じなんだから、プレイヤーはどちらを選択してもいいんだ。
ただし、3ベットを選択したほうが分散が大きくなることと、厳密には混合戦略の頻度を正確に再現する必要があることには注意だよ。

ふむふむ。ポーカーの混合戦略ではアクションの期待値が一緒になっちゃってるんだね。

 

じゃあ純粋戦略ってなんなの?

ねえ、じゃあ純粋戦略はどうなってるの?

純粋戦略もジャンケンで説明してみようか。
実はね、ジャンケンにはグー・チョキ・パーのほかに第4の手があるんだ。

えっ、そうなの?

うん、僕が今考えたんだ。「ピン」といって、ピン芸人なんかの「ピン」=「1」がその由来だよ。グー・チョキ・パー・ピンと覚えてね。

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どうでもええわ!それで?ピンはグー・チョキ・パーのどれに勝つの?

ピンはグーには勝つけど、チョキとパーには負けるんだ。

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ピン、弱ッ!

そうなんだよ。さて、グー・チョキ・パー・ピンのナッシュ均衡を考えてみようか。

えっと、今度はグー・チョキ・パー・ピンを1/4の割合で出して・・・あ、でも、そっか。そもそもピンを出すとエクスプロイトされちゃうのか。

そうなんだよ。ピンとパーはどちらもグーに勝てる手だけど、パーのほうはピンに一方的に勝てるからね。だからピンはパーの下位互換なんだ。
だから、どんな割合だろうとピンを出す相手に対しては、グーを少なめにしてパーとチョキを増やせばエクスプロイトできそうだよね。

ということは、ナッシュ均衡ではピンを出しちゃダメってこと?

そういうことだよ。ナッシュ均衡は必然的に混合戦略になるって話をさっきしたよね?でもね、中にはそもそもその戦略を取るor取らないこと自体がエクスプロイトされる原因になるようなケースもあるんだ。そういう場合はエクスプロイトされないほうの選択を常に取ることになるよね。それを純粋戦略というんだ。

ふむふむ。例えば手の相性が一方的に悪かったり、期待値が明らかに低い戦略は、そもそも混合戦略の仲間にすら入れてもらえないってこと?

まさにそういうことだよ。出来の悪いピンを入れるとエクスプロイトされてしまうからね。万年補欠でいてもらうことになるんだ。
でもね、その逆もあり得るんだよ。つまり、混合戦略を取るよりも常にその手を出すほうが期待値が高いような場合だね。
これはポーカーの純粋戦略も同じだよ。ほら、これを見てごらん。

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TTは3ベットが100%の純粋戦略だよ。ポーカーの純粋戦略は最も期待値が高いアクションが一つだけだよ。TTは常に3ベットしないと、相手にエクスプロイトされてしまうんだ。

ほんとだ。TTのアクションの期待値(EV)は3ベットが一番高いね。

もう一つ見てみようか。今度は純粋戦略でフォールドすべきハンドだよ。

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今度はフォールドが一番期待値が高いんだね。これがかわいそうなピンってことか。

そういうこと。A7oは常にフォールドすべきで、プレイするとエクスプロイトされてしまうんだね。

ふーむ、さっきのジャンケンだと混合戦略と純粋戦略のイメージがついたけど、ポーカーだとどのハンドがどんな戦略になってるのか、全く想像つかないね。

そうだよね。ジャンケンぐらい簡単なゲームだと「あ、ピンは出したらダメだ」ってすぐにわかるんだけどね。それに比べて、ポーカーはものすごく複雑なゲームなんだ。GTO計算機の力を借りないと、何がピンなのかすらわからないのさ。

さて、最後にもう一度GTOについてまとめておこうかな。

 

GTOの特徴(3)

  • 純粋戦略とは、割合・頻度によらずその戦略を取るor取らないことがエクスプロイトをされる原因になるような戦略において、エクスプロイトされないほうの選択を取ること。
  • ポーカーの混合戦略では、最も期待値の高いアクションが複数存在する。
    =どのアクションを選んでも期待値は同じ。ただし、ベットやレイズをするほうが分散は大きくなる。
  • ポーカーの純粋戦略では、最も期待値の高いアクションが一つだけ存在する。
    =ほかのアクションの期待値がマイナスで、フォールド(EV=0)を選ぶ場合もある。

 

ふむ、ちょっとずつGTOのことがわかってきたよ。でも、GTOってほんとに役に立つのかなあ?そもそも実戦でどう使えばいいんだろ?

OK。じゃあ次回はGTOを実戦で使うときに必要な知識について触れようかな。特に混合戦略の頻度・エクスプロイトについてだね。

よーし、part3へ続くッ!

 

*1:このように、適切な混合戦略を用いることで相手の戦略の期待値を等しくしてしまうことをゲーム理論では"indifferent"(無差別・無関係)といいます。互いが相手の戦略を無差別化することで初めてナッシュ均衡は成立します。(ただしゼロサム・ゲームに限る)

【超上級編】GTO part1 〜はじめてのゲーム理論〜

今回から全5回でGTO(Game Theory Optimal)の基本を解説していくね。できるだけ数式は使わず、身近な例とイラストで説明してみたよ。
具体的にGTOのこれこれが知りたい!っていう人はGTOのQ&A集(執筆中)を見てみてね。

 

ポーカーはどこで勝ち負けが決まるのか

ねえ、チンアナゴちゃん。人はいつ、どんなときにポーカーで勝つんだろう?「ポーカーで勝つ」って、結局どういうことなんだと思う?

え?ヤブから棒だね。うーん・・・ストレートみたいな強い役ができて、大きなポットが取れるときとか?

確かにそういうシチュエーションはあるよね。でも、長い目で見ると相手にもストレートが来るはずだよ。

うん、そりゃそうだよね。

長いスパンで見ると、ハンドやポジションは結局みんな平等なんだね。でも、アクション(とベットサイズ)だけはプレイヤーが選択できるんだ。

そっか、プレイヤーはベット、レイズ、チェック、フォールドだけで戦ってるんだもんね。

そうそう。ということはだよ、ポーカーを長期的に見たとき、「相手に対して有効な(期待値が高い)戦略を取ること」が勝ち負けを決めるんだ。当たり前に聞こえるかもしれないけど、ゲーム理論を考える上でこれは大切なことなんだ。ひとまず押さえておくね。

うーん、ところでさ、アクションはわかるんだけど戦略ってなんかピンとこないなあ。

例えばこんなのはどうかな。相手のリバーのベットがトップペア+のような強いハンドだけだとすると、自分はトップペアよりも弱いハンドはフォールドして、ナッツ級の強いハンドだけでコールやレイズをすればいいはずだよ。
そうすれば勝っているときは利益を大きくして、負けているときは損失を小さくすることができるんだ。

そっか、そうすればリバーが来れば来るほど、自分はどんどん勝っていきそうだね。

相手は「リバーのベットにバリューしかない」という不利な戦略を使っているんだね。ポーカーはゼロサム・ゲームだから、もし相手がミスをして、そのミスをうまく突くような戦略を使えば、自分はその分だけ得をすることができるよ。

でもさ、相手も戦略を変えてくるかもよ?「そうか、リバーで全くブラフしてないから相手につけ込まれてるんだ!」って気づいちゃうかも。

うん、そうだよね。相手は戦略を修正してくるかもしれない。でも、その相手の修正版の戦略に対して、こちらもさらに有効な戦略に変えることができるんだ。

そしたらお互いにどんどん戦略を変えていって・・・あれ?キリがないんじゃない?

ところが終わりはあるんだ。戦略を変えても互いにこれ以上利益が増やせないような状態がポーカーにはあるんだよ。

戦略勝負の終点があるってこと?

うん。その状態を数学ではナッシュ均衡というんだ。次の章から詳しく説明していくね。

 

GTO:ナッシュ均衡に基づいたプレイ

さて、まずはナッシュ均衡の定義を改めて見てみようか。

  • ナッシュ均衡:
    互いのプレイヤーが戦略を変更してもそれ以上期待値を上げることができない状態・あるいはその戦略の組み合わせのこと

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うーん、なんかフワッとしてるなあ。お互いに戦略を競争してたはずなのに、いきなり「はい、ここから先は戦略を変えても期待値は増えません」って言われても・・・。っていうか、そんな状態になったらもう勝ち負けとか無いんじゃないの?

鋭いね、そのとおりだよ。いろいろ疑問はあると思うけど、一つずつ説明していくから安心して。

ふーむ、いろいろ気になることはあるけど、まずは話を聞かせてもらおうかな。

さっきも説明したとおり、ポーカーは相手に対して有利な戦略を使うことで初めて利益が出る(期待値が上がる)んだ。ゲーム理論ではこれをエクスプロイト(exploit)というよ。「搾取」という意味だね。

搾取って・・・。まるで大地主か悪代官だね。

すごいストレートな言葉だよね。それはともかく、ポーカーにはお互いにそれ以上エクスプロイトできないような戦略の組み合わせがあるんだ。

それがナッシュ均衡ね。

うん。そしてそのナッシュ均衡(戦略の組)になっているうちの、具体的な戦略のことをGTOっていうんだ。

さて、ここまで説明したGTOの特徴をまとめてみようか。

 

GTOの特徴(1)

  • GTO=ナッシュ均衡に基づいたプレイ
    =ポーカーの最もスタンダードなプレイ。すべての戦略の基準点。
  • GTOはエクスプロイトされない
    =GTO以外の戦略は、何らかの戦略によってエクスプロイトされる可能性が常にある。

 

ふむ、エクスプロイトされないような戦略があるってことはよくわかったよ。そろそろ具体的なGTOが見てみたいなあ。

OK。じゃあ次は具体的なスポットのGTOを一緒に見てみようか。GTOをどう解釈すればいいのか、詳しく説明していくね。

part2へ続くッ!

海外カジノ遠征記 ~マニラ最終日・総括と分析~

さらばフィリピン

フィリピンは今日が最終日。50/100($1/2)を軽くワンセッションやって、Resorts World Manilaの中をブラブラして過ごしたよ。

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ホテルはクリスマスムードだね。

フィリピンは熱心なカトリックの国なんだって。12月上旬から下旬までの間、ずっとクリスマスを祝うらしいよ。

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フードコートの食事処もちょっと飽きてきたし、食事は1階のカジノ内で軽く済ませることにしたんだ。

これはお粥かな。

うん。今まであまり中華粥って食べる機会がなかったけど、美味しかったなあ。魚介系のダシで、上に乗ってるのはピータンと鶏そぼろ。ホッとする味だったよ。

シューマイも美味しそうだね。

豚肉と魚卵のシューマイだったかな。うん、これもなかなかだったよ。

さて、そうこうしてるうちに帰国の時間。今回は19日間の旅だったよ。

長かったねえ。フィリピンにも慣れてきた頃だったんじゃない?

うん。カジノの常連さんやディーラーさんに顔と名前を覚えてもらえて、少し仲良くなり始めたところだったから、名残惜しかったけどね。

ニノイ・アキノ国際空港から関空まで4時間、朝6時の大阪の気温は9℃。めちゃくちゃ寒かったよ。

フィリピンと20℃くらい寒暖差があるもんね。

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そして帰国して真っ先に食べたのがコレ。出汁、最高!

あ、美味しそう。帰国してそのまま駅で食べる立ち食いそばって最高だよね。

それで?今回の遠征を振り返ってみてどうだった?

うん。Resorts World Manilaはサービスも悪くなかったし、ポーカーも安定してテーブルが立ってるし、また来たいと思ったね。今回は宿をAirbnbで複数人で借りてるから、経費が安くついたのも満足してるよ。

ポーカーの収支のほうは結局どうだったの?

うん、じゃあ次の章から今回の旅の収支と、Resorts World Manilaのプレイヤー分析についてまとめてみようかな。

 

今回の旅の収支

ここんとこツイてなかったけど、最後のセッションは大きく勝ち越せたよ。

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これが今回の旅の収支。レートは50/100($1/2)と100/200($2/4)をプレイしたよ。

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うん、良いんじゃない?

そうだね。後半はバッドビートが多かったけど、ナッツで大きなポットを取れる場面もたくさんあったし、全体的には少しツイてたかもしれないね。

これが50/100($1/2)の収支だよ。

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こっちが100/200($2/4)。

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時給はどちらも12bbくらい。やっぱり少し上振れしてるね。良い成績が出せて満足してるよ。

収支(〜最終日) $2457.00

 

総括とプレイヤー分析

今回の遠征にあたって、僕はコーリングステーションやルースアグレッシブの対策をいろいろと準備してきたんだ。

対策って?

相手のプレイやレンジを想定して、よくあるスポットのGTOを計算したものだよ。

ふーん。秘密兵器を用意してきたわけね。

うん。でもね、結局ほとんど使う機会はなかったんだ。

あらら。どうして?

マニラのポーカーはほとんどがマルチウェイで、ヘッズアップにならないんだよ。GTOは基本的にはヘッズアップにしか使えないからね。

ああ、ハンドレビューでもほとんどがリンプインからのアイソレート→みんなコール!みたいな感じだったもんね。

あまりにもコーリングステーションが多すぎるんだね。だから、この記事で紹介したような簡易的なアジャスト方法で素直にプレイしたよ。

ふむふむ。例えばブラフやフロートは控えめにしたり、シンバリューベットやバリューのオーバーベットを打ったりしたんだね。

そういうことだね。もちろんほかにも工夫したところはたくさんあるんだけど、全体的な方針としてはそんな感じだね。いわゆるnitと呼ばれるプレイスタイルだよ。

さて、今回対戦したプレイヤーを簡単に分類してみようかな。50/100、100/200のどちらもこんな感じのプレイヤーが多かったように思うよ。★の数が遭遇率だね。

 

コーリングステーション ★★★★★

  • VPIP(プリフロップの参加率)が極めて高い。50%程度?
  • ポケットペア、Aハイはもちろん、82sなどのスーテッドハンドなら何でも積極的に参加する。
  • 高頻度でリンプする。AA、KK、QQ、AKなどもリンプに回す。ただし、AAはリンプレイズ(リンプして、ほかのプレイヤーのアイソレートに対して3ベット)してくる。
  • リンプに対してレイズ(アイソレート)が返ってきてもほぼ100%コールしてフロップを見る。
  • トップペアがフォールドできない。例えばAQJ79ボードのとき、ターンとリバーのオーバーベットをA8でコールしてしまう。
  • コミットを考えない。例えば、ポットが1万、自分のスタックも1万のとき、8000のベットにコールしてリバーを見に行く。

ルースアグレッシブ ★★★★☆

  • 上記のコーリングステーションの特徴に加えて、CB率が極めて高い。ほぼ100%。
  • マージナルなハンドを持っているときでも大きくCB、ダブルバレルを打つ。例えば、8768rのようなボードでAKでダブルバレルを打つ。(マルチウェイでも)
  • 単なるトップペアでドンクベットを打ったり、相手のCBに対してレイズする。(マルチウェイでも)
  • OESDやフラッシュドローはダブルバレルを打たれてもフォールドしない。
  • 富裕層に多いプレイスタイルで、マネープレッシャーがない。ドローやワンペアで全てのスタックを賭けることを恐れない。

タイトアグレッシブ ★★☆☆☆

  • プリフロップのレンジはタイトで、CB率・ダブルバレル率が極端に高い。マージナルなハンドでも複数のプレイヤーに対してベットする。
  • プリフロップの3ベットにうまく対応できない。例えば、AQoでIPの大きな3ベットにコールする。
  • ポストフロップでOOPからうまくプレイできない。
  • 現地のプレイヤーよりも海外プロに多い。

あくまでも僕が見た限りでの感想だよ。特にタイトアグレッシブは、実は彼なりにテーブルにアジャストしようとした結果なのかもしれないし、真の実力はわからないけどね。

ふーむ。とにかくすごく広いレンジで参加して、アグレッシブな人が多いんだね。

うん、どこのカジノも大体そんな感じだと思うけどね。でも、とにかくものすごくマルチウェイになりやすいなと感じたよ。よっぽど大きいサイズのベットをしないとアイソレートできなかったね。

なるほど。そりゃ余計にブラフもできないね。

うん。多分今回の遠征で僕が打ったブラフはすべてタイトアグレッシブに対してだけだね。ほかのプレイヤーはボトムペアでトリプルバレルをコールしてる人もいたし、とても彼らにブラフする気になれなかったよ。

うひゃー、そりゃ怖くてブラフCBも打てないね。バリューマシマシになるわけだ。

 

さて、今回の遠征のまとめはこんなところかな。ここまで読んでくれてありがとう。こんな感じで定期的に遠征記をアップしていくつもりだよ。またね!

 

スペシャルサンクス

  • フィッシュかも
  • Nuja
  • バカプ
  • K.H.N

海外カジノ遠征記 ~マニラ12〜16日目・バッドビートの嵐~

耐える日々

はあ・・・。

どうしたの?元気ないね。

この5日間、バッドビートが続いてね。割と長時間プレイしたんだけど、思うように稼げなかったから落ち込んでるんだ。

あらら。

フィッシュがいるテーブルに潜り込めたんだけどね。ちょっと稼いではバッドビート、何とか回復してまたバッドビート。ツラかったなあ。

 

今日の成績

とりあえず、今日までの収支だよ。

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まあ、でも大きく負けてないからいいんじゃない?

まあね。不幸中の幸いかもね。

今日までの旅の収支はこんな感じ。

収支(~16日目) $2239.00

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さて、今回はバッドビートも含めていろいろ面白いスポットがあったよ。いくつかハンドレビューしてみようかな。

 

AA vs AK 700bbPOT

まずはこのハンドから。BUのAAが僕だよ。

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うわ、ポーカー大戦争だね。

うん。 Kトリップスを引かれて負けたのはしょうがないんだけど、COが5ベットオールインしてきたときは意味がわからなくて思わず苦笑いが出ちゃったよ。

ライブキャッシュ、ここにあり!

ホントにそんな感じだよね。しっかし、このワンハンドで700ドルの損失だよ。

ま、今のはただのバッドビートなんだけど、次のはミスプレイかもね。難しかったスポットだよ。

 

ターンはベット?チェック?

今度もAAだね。AAでCOからオープンしたのが僕だよ。

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あちゃー、フルハウスを引かれちゃったのか。

うん。ターンの僕のアクションだけど、チェックが良いかベットが良いか、かなり微妙なところだね。難しかったよ。ポットコントロールのためにx/c(チェックコール)をすると相手がブラフするレンジも広がるし、一見悪くなさそうなんだけど、この相手は結構広いレンジを持ってることがわかってるから、ドローもそれなりに多いボードだし、積極的にベットしちゃったよ。バリューターゲットはKやQペア、フラッシュドローとかかな。

うん。ベットすればKやQからバリューが取れるんだし、良いんじゃないの?

うーん、ベットしたときにレイズが返ってきたらかなり厳しい展開になるよ。ターンに相手のレイズにコールして、相手はリバーでポットサイズのオールイン、という展開はキツいんだ。ドローが多いボードだけに、難しい判断になりそうだよ。

ふーん。私なら気にせずバリューベット打って、レイズが返ってきたらフォールドするけどなあ。

うん、コーリングステーションに対してはそれもアリかもね。
でも、少なくともターンの僕のベットサイズはデカすぎたよ。このベットサイズだと、AAより強いハンドにしかコールされないかもしれないし、レイズされるとリバーでワンペア(AA)でコミットしてしまうからね。ミスっちゃったよ。

 

nitにプレイすべし

この数日はこんな調子でプレミアハンドでポットを落とし続けてたんだ。イライラしてミスしちゃったっていうのもあるね。

タイトにプレイしてるとなおさらだよねえ。

でもね、次のハンドはなかなか良いプレイができたんじゃないかな。MPでKQsを持ってるのが僕だよ。

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相手はフルハウスかあ。フォールドできて良かったね。

うん。これはマルチウェイに助けられたスポットだよ。もしヘッズアップなら、ターンの相手のベットにコールしてたかもね。

まずプリフロップだけど、KQはルースなプレイヤーのリンプに十分アイソレートできるハンドだと思うよ。フロップはトップペアができたけど、大きなドンクベットがきたんだね。

ドンクベットかあ。どんなハンドで打ってるんだろ。

7のトリップス、Qのペア、ハートのフラッシュドローってとこかな。彼はこのボードでTTやJJみたいなハンドでドンクすることもあるけど、今回みたいに複数人が参加してるポットでその可能性は低いんじゃないかな。

ひえー。そんなハンドでドンクベットしてくるの?もうわけがわかんないよ。

TPGKの僕のKQは当然コールだよ。ドンクを打った相手のレンジにはドローやQJ、QTなんかが入ってると考えてるからね。

でも、ターンでもう一発ベットがきましたと。

うん。ちょっと悩んだけど、少なくとも一人が7を持ってる可能性が高いと考えてフォールドしたよ。

うーむ、私ならターンもコールしちゃうかも。

こういうマルチウェイの判断は人によっていろんな意見があるだろうね。「こんなの当然フォールドでしょ」っていう人と、「いや、これでフォールドしてたらブラフに弱すぎる」っていう人の両極端に分かれるかも。僕は前者のタイプだよ。特にライブキャッシュではフォールドすべきだと思うなあ。

ふーん。どうしてフォールドだと思うの?

まず、例えばドンクを打った彼がQJを持ってるとして、果たしてターンでもベットを打つのかな?ヘッズアップなら「相手はドローに違いない!」って思い込んでもう一発打つ人もいるかもしれないけど、僕とBU、BBの3人がコールしてるんだ。

確かに、フロップでコールした3人のうち1人くらいは7を持っててもおかしくないよね。

うん。それに、逆に3人とも7を持っていない場合を考えてみてごらんよ。つまり、3人ともハートのドローやQのペア、JJ、TTなんかだったとして、わざわざターンでベットをしてドローから自分のワンペアを守る必要はあまりないんじゃないかな。だって、フラッシュドローのアウツをお互いに食い合ってるんだから、リバーでハートが落ちる可能性は相当低いよ。

なるほど。3人のうち誰かが7を持ってるならベットしたくないし、互いにフラッシュドローを持ってる場合でもベットする必要はあんまりないと。

そう考えると、彼のターンのベットはかなり強そうだよね。単なるフラッシュドローなんかでこのターンベットを打ってるなら、彼はとても大きなリスクを負ってることになるよ。

だから、僕のTPGKはここでは負けてそうだし、アウツもQの2枚しかないからフォールドを選択したよ。それに、BUやBBのほうが7を持っててスロープレイしてることも十分に考えられるしね。

なるほどねー。トップペアでもフォールドするべきときがあるんだ。

うん。ライブキャッシュでマルチウェイのとき、トップペアを過大評価しすぎると良くないよ。それよりもnitなスタイルでナッツを作りにいって、大きなベットをするほうがよっぽど安定して稼げるんだ。

カジノの相手はトップペアをなかなかフォールドできないもんね。

そうなんだよ。ワンペアで難しいスポットに迷い込むぐらいなら、ポットを小さくして安くショーダウンに向かったり、あるいは今回みたいにマルチウェイの情報を使ってフォールドするのが正解のことが多いよ。
そして自分がツーペア+の強いハンドを持ったときは、大きくベットやレイズするのさ。もちろん「カジノのライブキャッシュでは」って条件つきだけどね。

 

さて、マニラ遠征も明日で最終日。そろそろ日本が恋しくなってきたよ。次回もよろしくね。

【中級編】プレイスタイルとアジャスト part3 〜TAGとnit〜

前回はコーリングステーションとルースアグレッシブに対するアジャスト方法を紹介したよ。

カジノにはコーリングステーションとルースアグレが本当にたくさんいるよねえ。

そう。だからカジノでは何よりもまず、その二つに対してきちんとアジャストするべきなんだったね。

さて、今回紹介するのはタイトなプレイヤーに対するアジャスト方法だよ。

コーリングステーションや下手なルースアグレを狩りに来てるタイトなプレイヤーを返り討ちにしちゃうんだね。

うん。あるときはコーリングステーションやルースアグレにアジャストして、あるときはタイトなプレイヤーにアジャストするんだ。そうすれば大体のテーブルでは怖いものなしだよ。次の章から解説していくね。

 

タイトアグレッシブ(TAG)Lv.1に対するアジャスト

さて、まずはタイトアグレッシブ(TAG)に対するアジャストから見ていこうか。

今日もお友達を連れてきたよ!

チンアナゴちゃんは交友関係が広いよね。

おーい!こっちこっち!

おつかれさまです!

はい、おつかれさまです。

同僚のヤドカリくん!営業部のエースだよ。

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ヤドカリくん。チンアナゴちゃんの同僚。
学生時代に力を入れたことはサークル活動。
プレイスタイルはTAG Lv.1。

弊社のチンアナゴがいつもお世話になっております!

ポーカーは会社の付き合いでよくやるみたいだよ。

なるほど。じゃあポーカーについて話を聞いてみようか。

はい、ポーカーは海外のクライアントと仕事をする中で学びました。その経験を生かし、海外出張の際には現地のカジノを訪れ、自分の目と足でマーケットリサーチをしております。

自己分析によると私のプレイスタイルはTAG。タイトなレンジでプリフロップで大きくレイズをし、フロップでCBを打つことにやりがいを感じています。ワンペアでキッカー勝ちしたときがこの仕事を続けててよかったと報われる瞬間ですね。

はい、本日はありがとうございました。お気をつけてお帰りください。

採用!

さて、まずはTAG Lv.1の特徴をまとめてみようか。

TAG Lv.1の特徴
  • スタッツの例(6max)
    VPIP 19%
    PFR 16%
    AF 2
    3bet 3%
    CB on Flop 75%
    CB on Turn 25%
  • プリフロップはタイトなレンジでオープンする

  • フロップでのCB率が高い(65%~)
  • ターン以降のCB率が低い(~30%)

  • 3ベットレンジが極端に狭い(~4%)

ふむ。プリフロップはレンジを狭くして参加して、フロップでは積極的にベットするけど、ターン以降は諦めちゃうことが多いんだね。

うん。あと、AQ+やQQ+のようなかなり狭いレンジだけでプリフロップの3ベットを打つのも特徴だね。これがTAG Lv.1に対する簡易的なアジャストだよ。

TAG Lv.1アジャスト
  • ターン以降のCB率が低いので、フロップはIP(インポジション)から広いレンジでフロートし、ターン以降でブラフする。あるいはフロップで強いハンドとドローハンドを混ぜてレイズする。
  • 3ベットに対してはIPから投機的なハンド(スーテッドコネクタ・ポケットペア)でコールし、フロートやブラフレイズを駆使して戦う。AQのようなドミネイトされやすいハンドはフォールドする。
  • TAG Lv.1がブラインドのときは、通常よりも広いレンジでスティールを狙う。

TAG Lv.1の弱点はフロップのCB率が高すぎること、そして逆にターンのCB率が低すぎることだね。そこの弱点を突くためにはフロートレイズが有効なんだ。

ねえ、何か具体例を出してよ。

OK、こんなのはどうかな。COがTAG Lv.1、BUが自分だよ。

 

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フロップはペアもドローもないのに、コールしてターンで逆襲・・・。これがフロートなんだね。

バックドアのストレート・フラッシュドローがあって、オーバーカード(K)も1枚あるからね。十分フロートできるボードだと思うよ。TAGは77なんてマージナルなハンドでCBを打ったのが悪手だったね。

さて、もう一つ見てみようか。今度は3ベットを打ったBBがTAG Lv.1だよ。

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3ベットにスーテッドコネクタでコールするのはまだわかるけど、私ならフロップで降りちゃうなあ。

このCBはコールできるよ。相手の3ベットレンジにはもちろんQQ+のようなオーバーペアも入ってはいるけど、逆に5やフラッシュドローはこちらのレンジに多く入っているんだね。
だから、GSSDのアウツだけじゃなくて、ターン以降で3枚目のダイヤが落ちたり、8や4でOESDになったときは、相手のチェックに対してブラフができるよ。

ひえー。こっちは単なるストレートドローなのに。怖くないの?

怖いのはBBのほうだと思うよ。だって、相手の3ベットレンジには5や99、TTは入っていなくて、フラッシュドローがあるとしたらAKsとAQsのせいぜい2コンボだけ。
でも、こちらのコールレンジにはそういうハンドがまるっと入ってるからね。フロートからのブラフにうってつけのスポットなのさ。

 

タイトパッシブ(nit)に対するアジャスト

さて、今度はタイトパッシブに対するアジャストを見ていこうか。

タイトパッシブとTAGってどう違うの?

タイトパッシブはTAGと同じくタイトなレンジを持ってるけど、ポストフロップではCBやレイズの頻度が低いのが特徴だよ。辛抱強くチャンスを待って、ナッツを作りにいくタイプなんだ。別名nitともいうね。

タイトに固くプレイするんだね。うってつけのプレイヤーを呼んできたよ!

じゃあ、次の方どうぞ。

失礼しますぞ。

どうぞ。はじめまして。

亀じいだよ。ご近所さんで、地元のご意見番なんだ。

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亀じい。趣味は釣り。
奥さんは地域の民生委員。
プレイスタイルはタイトパッシブ(nit)。

見ないうちに大きくなったなあ。中学生かえ?

もう社会人だってば。

じゃあ、ポーカーについて話を聞いてみようか。

この100年間、色々なプレイヤーを見てきたが、コーリングステーションが勝つ道理はない。きゃつらを狩るためにはひたすらナッツを待ち、ここぞと決めたところでオールインするのじゃ。ポーカーは忍耐のゲームなんじゃよ。あまりにもハンドが来ないときは頭に血が上ってJ9sで5ベットを打つこともあるがの。ふぉっふぉっふぉ。

感じの良いおじいさんだね。

若い頃は相当やんちゃしてたみたいだよ。

さて、まずはnitの特徴をまとめてみようか。

nitの特徴
  • スタッツの例(6max)
    VPIP 12%
    PFR 10%
    AF 1.5
    3bet 3%
    CB on Flop 55%
    CB on Turn 25%
  • プリフロップはかなりタイトなレンジでオープンする

  • フロップでのCB率は適正かやや低い(50%前後)
  • ターン以降のCB率が低い(~30%)

  • 3ベットレンジが極端に狭い(~4%)

  • ナッツ級のハンドでしかショーダウンまでいかない
  • ナッツ級のハンドでオーバーベットする

ふむ、確かにTAGのヤドカリくんよりもCB率が低くてパッシブなんだね。

これがnitに対する簡易的なアジャストだよ。

nitアジャスト
  • プリフロップは頻繁にスティールを仕掛ける
  • ポストフロップはフロートダブルバレルを駆使してノンショーダウンポットを取りにいく
    →TAG Lv.1と比べてCB率が低いので、nitのフロップCBはマージナルなハンドが少ない=ターン以降でフォールドさせにくい
    →そのため、nitに対するフロートはTAG Lv.1と比べて頻度を下げたほうが良い
  • nitのターンやリバーのオーバーベットに対しては、ワンペアなどのマージナルなハンドはすべてフォールドする

基本的にはTAG LV.1と同じアジャスト方針だよ。つまり、タイトなプレイヤーはショーダウンまでいったときに勝率は高いけど、フロップで強い役(ツーペア+)を作る頻度は低いんだね。そこをうまく突いてブラフでポットをかすめ取ろうという作戦さ。

ふむふむ。nitはナッツ級を持たずにショーダウンすることを嫌がるから、ブラフに弱いんだね。

でも、TAG Lv.1と比べてnitはベットやレイズをする頻度が低いから、そこだけは注意が必要だよ。TAG Lv.1のようにマージナルなハンドでCBは打ってきてないから、そこまで頻繁にフロートやレイズをするべきではないかもね。特にターンやリバーのnitのベットはかなりバリュー寄りだろうから、おとなしくフォールドすべきスポットがほとんどだと思うよ。

ねえ、何か具体例が欲しいな。

OK、まずはこれを見てごらん。A9sを持ってるBBがnitだよ。

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66を持ってるBUはCBを打っても打たなくてもいいけど、今回は相手がnitでブラフに弱く、66より強いハンド(TT、9ペア、88、77など)をターン以降にフォールドさせられると思ったんだ。それで今回はCBを選択したよ。

ターンで3枚目のハートが落ちたんだね。そこでまたベットするの?

うん。ターンのKはBBがハートのフラッシュドローでない限り、BU側が有利なカードだよ。なぜなら、フロップのCBにnitがコールするKハイなんて、K9sがあるかないかぐらいだからね。でも、BUの僕はKQ、KJ、KTなんかのKハイでフロップCBを打つよ。もちろんブラフでね。

ということは、ターンのKというカードはBUの僕に絡んでそうなカードなのさ。

なるほど、そういう読みがあるんだね。

それにターンで僕はフラッシュドローを手に入れたよ。万一BBがトップペアやツーペアを持っていたとしても、4枚目のハートで逆転できる目ができたからね。
こういうふうに、相手にとっては嫌なカードで、なおかつ自分にとってうれしいカードが落ちたときは、ブラフのダブルバレルを打ちやすい状況だよ。特にナッツを持たずにショーダウンまでいくことを嫌うnitにはたまらないだろうね。

もう一つ見てみようか。QQを持ってるUTGがnitだよ。

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プリフロップはAJsで単にコールしたよ。nitのオーブンレンジは狭く、しかもUTGからのオープンだからかなり強いハンドを持ってそうだね。AJはドミネイトされる可能性もあるけど、スーテッドがついてるし、IPが取れるから今回はコールに回したよ。

nitのフロップ、ターンのダブルバレルは今回はコールに回してるね。もっとアグレッシブなプレイヤーがベットしてきてるなら、フロップでレイズするのも有効だと思うよ。

パッシブなnitがベットしてきてるんだから、かなりバリュー寄りのベットだと読んでるわけね。

うん。リバーでナッツフラッシュを引いたね。当然バリューベットしたけど、ここでのバリューターゲットはほぼAA、KK、Qのペアだね。nitはAKやJJでダブルバレルを打たないだろうし、A8なんかもオフスートはオープンレンジに入っていないと考えてるよ。

でも、チェックレイズオールインが返ってきましたと。

うん。一見難しい状況だけど、僕はnitのオールインにはイージーフォールドだと思うな。QQ、TT、88なんかを持ってそうだよ。

相手もフラッシュって可能性は?

AQJが既に見えているからね。超タイトなUTGがオープンしてることを考えると、KTぐらいしか思いつかないよ。65みたいなハンドでUTGからオープンするプレイヤーなら少し話が変わってくるけどね。

 

これ以外のプレイスタイルは?

さて、前回と今回でコーリングステーション、ルースアグレッシブLv.1、タイトアグレッシブLv.1、タイトパッシブの四つのタイプに対する簡易的なアジャスト方法を見てきたよ。

この四つを押さえておけば、カジノの8割がたのプレイヤーはカバーできてるんじゃないかな。微妙なスタッツの差や複合型はあるけどね。

ねえ、その四つ以外のプレイスタイルっていないの?

もちろんあるよ。CB率が適正で、ブラフとバリューを織り交ぜて3ベットをする上手いTAG Lv2、相手を見極めて適切なスポットでアグレッシブにプレイするLAG Lv.2なんかだね。

ふーん。その人たちに対するアジャストは?

Lv.2たちにアジャストするのは簡単ではないよ。彼らに対する簡易的なアジャストはないんだ。

「これさえやっておけば簡単にアジャストできる!」っていう方法はないんだね。じゃあどうすればいいの?

もっと細かいスポットで弱点を見つけて、個別に対応するしかないね。例えば、ドローが多いボードでブラフキャッチしすぎるとか、プリフロップで3ベットを打たれたときにうまく対応できていないとかね。

こういう弱点を突くためには個々のスポットでのGTOを計算してみて、相手がそのGTOからどれだけズレてるかを知るのが大事なんだ。

出た!GTO!

例えば、この状況で相手の3ベットにポケットペアをフォールドするのはGTOに反しているだとか、AQoで3ベットにOOPからコールするのはGTOに反しているだとかね。
そしてそのGTOに反しているプレイはアジャスト可能ってことなんだ。

ふーん。それがpart1で言ってたGTO的アジャストってことか。

そういうことだね。でも、もしカジノの低レートで勝ち越したいなら、簡易的なアジャストだけで僕は十分だと考えてるよ。あとはバンクロールを十分多く持って行ったり、ティルトしないようにすることが大事かな。

ということで今日のまとめッ!

 

今日のまとめ

今日のまとめ
  1. タイトなプレイヤーにアジャストして、テーブルを支配する神になろう!
  2. タイトアグレッシブLv.1の特徴と簡易的なアジャスト方法を紹介したよ
  3. タイトパッシブの特徴と簡易的なアジャスト方法を紹介したよ

簡易的なアジャストはあくまでもプレイ全体の方針だよ。個々のスポットでの細かいアジャストはGTOをうまく使って考えよう。

海外カジノ遠征記 ~マニラ11,12日目・収支$2000達成~

マニラのカジノ飯(6)

最近はWorld Resort Manilaの飲食店を紹介してハンドレビューをするだけのブログになっちゃってるけど、実際そういう生活なんだ。

起きたら仕事して、ブログを書いて、外食して、夜はポーカー。健康に悪そうだね。

うん、明日からジムにでも行こうかな。というわけで、今日はガッツリ肉を食べよう!

突然どうしたのさ?

明日からバリバリ運動するんだから、その前に体力をつけておかないとね。

メチャクチャな理屈だなあ。

今日はフィッシュかもNujaと一緒に2階にあるWolfgang's Steakhouseに来てみたよ。

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いかにも高級っぽい雰囲気!これは期待!

うん、3人とも意気揚々と乗り込んだよ。でもね・・・僕たちには高級すぎたよ。

そんなにお高いの?

この店で飲んで食べたら一人2万円は必要だね。

高ッ!

さすがに1食で100bbも出せなかったよ。でも頭はもう肉!肉!になってたから、もっとお手頃な店を探したんだ。そこでたどり着いたのが2階のFIERY STYLEだよ。

FIERY STYLE ★★★★☆

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ここもすてきな雰囲気だね。

メキシカン料理の店なんだ。メインはステーキ!

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ウオオオッ!肉ッ!

3人で1キロのステーキをシェアすることにしたよ!テンション爆上がりだよね。

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店のすぐ外にはステージが。生演奏をやってたよ。そしてしばらくしたらお待ちかねの肉が。

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来たぁ!

柔らかくて美味しいランプステーキだったよ。グレイビーソースとの相性も抜群。これで一人400ペソ(800円)なんだから最高だね。

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ドリンクにアイスティーをピッチャーで。あのね、僕らはノンシュガーで頼んだんだ。

甘いお茶とステーキなんて合わないもんね。

でも出てきたのは超甘い紅茶。午後ティーより甘かったよ。

ノンシュガーってちゃんと伝えた?

何度も念を押したんだけどね。多分、そもそもお茶は甘いものだという認識があるんじゃないかな。ノンシュガー=追加の砂糖はなし、と受け取られたのかもね。

あ、そういえば海外のコンビニの緑茶にも砂糖が入ってるしね。確かにそうかも。

さて、ステーキで腹ごしらえもしたことだし、今日もカジノに向かおうかな。

 

今日の戦績

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今日はカジノのエントランスでモデルさんがお出迎え。お願いして写真を撮らせていただいたよ。

ビューティフル・・・。

キレイなお姉さんにGood luck, sir!って言われたら気合いが入るってもんだよね。

今日もお目当ての100/200(2/4$)をリザーブしておいて、まずは50/100(1/2$)をプレイしたよ。しばらくして100/200が空いたからテーブル移動。

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うん、100/200は快勝だね。

序盤は全くチャンスが来なくて耐えるポーカーだったよ。でも最後に大きなポットが取れてラッキーだったかな。次の章でハンドレビューをするね。

 

今日のハンドレビュー

100/200のハンドだよ。

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2/4$ SB AhAs
Limp, SB r ,BU c
5h5s5c3cKs
b r c
x b c
x x
SB shows AA, BU mucks

お、AAだね。

うん。当然リンプに対してアイソレートするんだけど、僕はSBでポストフロップのポジションが良くないから、少し大きめにレイズしたよ。

BUだけがコールしてヘッズアップと。

フロップは5が3枚。まずは自分のハンドの強さを図ろうか。

AAが最強のフルハウスができてるよね。

うん。でも、このBUのプレイヤーは超ルースアグレッシブなレギュラーで、彼がリンプ/コールするレンジには5Xsが入っているんだね。だからナッツ(クワッズ)を持っているとしたら、BUのほうなんだ。もちろん僕のAAはセカンドナッツなんだけど、そこだけは注意だね。

ふむふむ。

BUのレンジにはすべてのポケットペアが入っているし、ひとまずポットの33%のCBを打ったよ。バリューベットだね。

そうしたらレイズが返ってきましたと。

うん。レイズに対してはコールで問題ないと思うよ。ナッツは相手にあるし、このままセカンドナッツでブラフキャッチに行こうと思ったんだ。

ターンの3は?

これは僕にとってうれしいカードだよ。相手が33を持っていても、僕のAAのフルハウスのほうがまだ強いからね。それに、オーバーアグレッシブなBUは僕のAKやTTをフォールドさせたいだろうから、このままベットしてくれそうなターンカードでもあるね。

で、やっぱりターンもベットしてきましたと。

うん。彼のターンベットはポットの60%ぐらいのサイズ。スタックサイズ的にリバーで僕コミットするけど、もちろんフォールドはないよね。

リバーも続けてチェックしたよ。オールイン要求もさすがにコールしちゃうなーと思って見てたけど、さすがの超アグレッシブな彼も諦めたみたい。

あらら。残念だね。

このプレイで本当に最大限バリューが取れたのかな?ちょっと微妙なプレイだったかもね。もしかしたらもっと良いプレイラインがあったかもしれないよ。

さて、もう一つ見てみようか。これも100/200でのハンドだよ。HJからQQでプレイしたよ。

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$2/4 HJ(200bb) QhQs
UTG3(MP1) Limp, HJ r 20, BU c, UTG3 f
KcTs5d2sKd
x x
b32 c
b40 c
BU shows 6h6d

プリフロップは標準的なアイソレートだよね。コールしたBUは重度のコーリングステーションなんだ。プリフロップの3ベットに95sでOOPからコールしてるのを目撃したからね。あらゆるポケットペア・スーテッドハンド・コネクタを彼は持ってると考えていいだろうね。

変なツーペアとか作られそうで怖いなあ。

フロップは小さなCBを打つか迷ったけど、今回はチェックしてポットコントロールを選択したよ。

相手がコーリングステーションなら大きくCBを打ってもいいんじゃない?

このスポットのバリューターゲットはKより小さいペアとストレートドローということになるのかな。でも、僕はQを2枚ブロックしてるから、ストレートドローのQJ、Q9、AQを相手が持ってる可能性が低くなってるよね。だからバリューターゲットが少なくなってるんだ。いくらコーリングステーションといえどもフロップ、ターン、リバーとトリプルバレルを打ってTのペアでコールしてくれるか微妙だしね。

さらに言えば、Qのブロックは相手のブラフレンジを狭くしてるんだ。例えば、QQがフロップでCBを打って、それに対してBUがレイズを返したり、あるいは単にコールしてフロートしてきたとしようか。その場合、彼はKペア、ツーペア、セットなんかの強いハンド(バリューレンジ)と、QJやQ9なんかのドローハンド(ブラフレンジ)の両方を持ってるはずだけど、ブラフレンジに使われるQが2枚ブロックされてしまってるから、僕から見てBUのレンジがややバリュー過多になるんだね。そんな展開は僕にとってうれしくないよ。

なるほど。

というわけでフロップはチェックを選択したよ。ターンの2sは相手が22や43sを持ってない限りラグだね。フロップのBUのチェックで彼がKを持っている可能性が低くなったから、ターン、リバーで2回バリューを取りにいくことにしたよ。

バリューターゲットはやっぱりTとかストレートドロー?

基本的にはそうなるよ。さっきも言ったようにあまりバリューターゲットは多くないことに注意だね。

リバーのKdは?

これは僕にとってうれしいカードだよ。ターンで僕のQQが勝ってるなら、リバーでも勝ってるだろうからね。Tのペアやポケットペアに対してb/fの予定でシンバリューベットを打ったよ。

で、BUが持っていたのは66かあ。

彼は僕のブラフをキャッチしにいったみたいだね。このスポットではマックスバリューが取れたんじゃないかな。満足してるよ。

さて、今日で旅の収支は$2000を突破!このまま順調に$3000、$4000と増やしていきたいね。次回もよろしくね。

収支(~11日目) $2064.00

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海外カジノ遠征記 ~マニラ9,10日目~

 

マニラのカジノ飯(5)

今日はWorld Resort Manilaの2階にある日本市場(ICHIBA)に来たよ。

日本市場(ICHIBA) ★★★★☆

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お、日本食のお店かな。

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寿司、天ぷら、焼き鳥、丼、ラーメン、そば、たこ焼き、日本酒、何でもあるんだ。

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最高を今すぐ焼くよッ

キャッチコピーが面白いよね。

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あっつい魂・・・。

店主が腕を組んで仁王立ちしてる感じが伝わってくるね。

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これはオードブルかな。

団体客も多かったよ。食事もできる居酒屋って感じの店だね。

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店内はこんな感じ。

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みそ汁もあったよ。さすがにインスタントだったけど、赤だしでワカメも入ってて美味しかったよ。

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揚げ出し豆腐。上に乗ってるのは青ネギとなんとパクチー。

パクチーって合うの!?

残念ながら三つ葉のほうが合うかなあ。タレはちゃんと甘辛い出汁だったよ。

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カツ丼を頼んだよ。カツは揚げたてじゃないソフトなやつだけど、マニラでカツ丼が食べられるという事実が嬉しかったなあ。

さて、カツ丼で英気を養ったところでカジノに行こうかな。週末は書き入れ時!稼ぐぞ~!

 

今日の戦績

World Resort Manilaの100/200(2/4$)の200bb持ちでプレイしたよ。

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今日は反省しなきゃいけないことがあるんだ。

どうしたの?変なプレイしちゃった?

4人で100/200をプレイしてたんだけど、プレイヤーが3人以下になったら卓割れしちゃうってことを知らなかったんだ。

※追記:World Resort Manilaでは3人以下でもテーブルの合意があればプレイ可能なようですが、一旦卓割れしてしまうと再び新しくテーブルをオープンしなければならず、テーブルをオープンさせるのに最低でも4人が必要とのことでした(フィッシュかも情報)。今回は一旦テーブルがブレイクしてしまった際にプレイヤー人数が3人以下になってしまったため、続行が不可能であったと考えられます。

ふむ、最低限必要なプレイヤー人数ってもんがあるんだね。

そうとは知らずに僕、トイレに立ってしまったんだ。で、帰ってきたら卓割れ。フィッシュたちはどこかに散ってしまってたんだ!どうせバカラかルーレットさ!

あらら。

せっかく久々にフィッシュたちと100/200を囲んでたのに、もう最悪だよ。5人目が入ってくるまでトイレは我慢すべきだったんだ!せめて3人でもゲームは続行するのかディーラーに確認すべきだった。僕のミスだよ。

ま、まあしょうがないんじゃない?トイレ我慢すると体に良くないしさ。

プロポーカープレイヤーのAntonio Esfandiariみたいにテーブルの下でペットボトルにすれば良かったね。そんなことをしたら出禁かな。はは。

はあ。ということで気を取り直して50/100(1/2$)でプレイしたよ。100/200の別のテーブルはプロだらけだったからね。

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うん、悪くないんじゃない?

うん。週末だけあって50/100にも豪気な社長がたくさんいたよ。いい感じで勝ててよかった。次の章でハンドレビューするね。

 

今日のハンドレビュー

まずはこのハンドを見てみて。

pokerbankrolltracker.net

1/2$ HJ($600) KhKc
UTG Limp HJ r10 SB BB UTG c
Td8d3s3c6h
x x x b30, c c f
x b40 c c
all-in 18 f c
SB shows 9c7d, HJ mucks

もう何もかもがメチャクチャだね。

これぞカジノのライブポーカーって感じだよね。

プリフロップは当然大きくアイソレートするよ。フロップはマルチウェイだから、ここでも参加人数を絞るために大きくCBを打ったよ。

ここでチェックレイズがきたらどうするの?

ショートスタックのSBのチェックレイズにはオールイン要求するかな。でも、ほか2人はかなりディープスタックで、しかもコーリングステーションだからチェックレイズがきたらフォールド寄りかな。彼らのコールレンジにはTTはもちろん、T8o、AAだってあるだろうし、逆にフラッシュやストレートのドローでチェックレイズをするタイプじゃないからね。

ターンの3はCBにコールした相手に有利なカードだね。だから相手のドンクベットにレイズはできないと判断したよ。

さらに言えば、ドンクを打った彼はディープスタックだから、下手にポットを大きくしてしまうと、僕はビッグポットでワンペアでコミットしてしまいそうなんだね。

だからドンクに対してレイズはせずに安くショーダウンに向かって、リバーで相手がチェックならバリューベット、相手がベットならブラフキャッチをしようと考えたんだ。

なるほど。で、ショートスタックのSBもコールしましたと。

リバーはもう考えることは何もないね。$18のオールインはオッズ的にコールするしかないよ。

あちゃー、ストレート引かれたね。

まあまあ、間違ったプレイはしてないはずだから、しょうがないね。それよりターンでドンクを打ったBBが$18のオールインにフォールドしたことが驚きだよ。思わず苦笑いが出ちゃったね。

いったい何を持ってたんだろ・・・。

もう一つ見てみようか。カジノではコーリングステーションが多いから基本的にはブラフは控えめにすべきだけど、状況によっては有効なブラフもあるよ。

pokerbankrolltracker.net

1/2$ BU 8s7s
HJ r8 BU c
3s4h6d
b10 r30, f

87sはBUからブラフ3ベットを打つのに悪くないハンドだけど、今回はコールにとどめたよ。このテーブルでスクイーズをされる心配はないからね。

オリジナルレイザーのHJはCB頻度がものすごく高いんだ。しかも、何度かショーダウンハンドを確認したけど、AハイやボトムペアなんかのマージナルなハンドでもCBを打つタイプみたいだね。

で、当然のようにCBを打たれましたと。ジョーズくんにはGSSDができてるね。

うん。ここでの僕のアクションはレイズ、コールのどちらもありそうだね。一つずつメリットとデメリットを整理していこうか。

まず、このGSSDでCBにコールするのはフロートというプレイだね。CBのサイズは十分大きいから僕のGSSDのオッズが消されちゃってるんだけど、そこをあえてコールして、ターン以降にブラフをしてポットを取ってしまおうっていう作戦だよ。これは相手のターン以降のCB率が低かったり、パッシブなプレイヤーに対しては有効だよ。

HJはどうなの?

HJは典型的なルースアグレッシブで、ワンペアやAハイがあればターン以降でも続けてベットする可能性が高いんだ。だからフロートの成功率はかなり低そうだよ。

ふむふむ。じゃあCBに対してコールはだめと。今回選択したのはレイズだよね。

うん。アジャストの記事でも書いたけど、こういうプレイヤーに対しては強いハンドとドロー系のハンドを混ぜてレイズするのがおすすめだよ。

今回はGSSDだから、ドロー系のハンドってことか。

うん。HJはこのボードの例えばA3sやAKなんかのマージナルなハンドはもちろん、KQ、QJ、JT、いろんなハンドでCBを打ってくるだろうからね。そういうハンドをフォールドさせてしまいたかったんだ。

なるほど、8ハイがAハイを降ろせれば得だもんね。

それと、レイズが優れてる理由はもう一つあるんだ。この346rというローボードはオリジナルレイザーのHJよりもコールレンジを持っているBUのほうが有利なボードなんだね。

なるほど、セットやツーペア、ストレートがあるとしたら、HJのオーブンレンジよりもコールしたBUのレンジのほうってことなんだね。

まあ、このHJはルースだから、もしかしたらHJからでも43sや75sでオープンするかもしれないから、やや微妙ではあるけどね。

さて、今日はこんなところかな。収支はそろそろ$2000の大台が見えてきたね。次回もよろしくね!

収支(~10日目) $1862.50

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【ビギナー編】ナッツを探せ!クイズ

一番強い役(ナッツ)は何だろう?2枚の手札で答えてね。

(例)

AKQ45のボードなら、ナッツはJTのストレート(AKQJT)。

セカンドナッツ(2番目に強い役)は32のストレート(A2345)。

Question1 同じスートが3枚

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ナッツはAハイフラッシュだよ。例えばAJとかA2なんかだね。Aともう1枚のスペードさえ持っていればAハイフラッシュになるんだ。

2番目に強いセカンドナッツはなんなの?

セカンドナッツはQJなんかのQハイフラッシュだよ。Kがボードに出てるから、Kハイフラッシュはいないんだね。

 

Question2 ボードにペアが

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今度も同じスートが3枚あるからフラッシュができそうだね。

うん、フラッシュもできそうだけど、よく見てごらん。ボードにペア(55)があるよ。そういうときはフラッシュよりも強いフルハウス・クワッズ(フォーカード)ができるから注意しよう。今回のナッツはクワッズの55だよ。セカンドナッツはフルハウスのAAなんかだね(AAA55)。

そっか、ボードにペアがあるときはセット(スリーカード)がフルハウスになっちゃうんだね。

そうなんだ。だからTTなんかでもフルハウスはできるけど(TTT55)、役の強さとしてはAが3枚のフルハウスのほうが強いんだね。同じ役のときはより強いカード(ハイカード)が勝つよ。

 

Question3 どちらのハンドが強い?

この問題では既に配られてる手札2枚のどちらが強いかも答えてね。もちろん、ナッツも考えてみてね。

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KTKKTTQのツーペア、AKKKAQTのワンペアができてるね。もちろん正解はKTのほうだよ。

ナッツはどうなるの?

ナッツはAJのストレート(AKQJT)だね。セカンドナッツはJ9のより弱いストレート(KQJT9)だよ。

Question4 どちらのハンドが強い?続き

さっきの問題の続きだよ。配られてる手札2枚のどちらが強いかも答えてね。もちろん、ナッツも考えてみてね。

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さっきの問題がターン(ボードの4枚目のカード)まで進んだところだね。

ポイントはターンでQが落ちたことで、さっきまでツーペアだったKTの役はKKQQTになっちゃったんだことだよ。残念がらポーカーにはスリーペアという役はないからね。一方、AKの役はKKQQA。同じツーペアでも、TとAの差でAKのほうが強い役になっちゃったよ。

なるほど、ボードでペアができると、自分のツーペアが弱くなることもあるんだね。

ちなみにナッツはストレートからQQのクワッズに変わったよ。KK、KQ、QT、TTはフルハウスができてるね。

 

Question5 同じスートが3枚、しかも・・・

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えっと、同じスートが3枚あるからフラッシュができるんだよね。それで、ボードにペアがないからクワッズやフルハウスはなしと。

うん、そうだね。

じゃあ、フラッシュの中で最強のAハイフラッシュがナッツなんじゃない?AKとかさ。

残念ながらAハイフラッシュは3番目に強いハンドなんだ。ナッツはJ9ストレートフラッシュだよ。

ストレートフラッシュ!そういえばそんな役あったねえ。

レアすぎて忘れがちだけどね。ちなみにセカンドナッツもストレートフラッシュの96だよ。

ちなみに、ストレートフラッシュは9がないと作れないから、もし自分がA9を持ってるなら、相手にストレートフラッシュはないことがわかるよね。その場合はA9が繰り上がり当選でナッツってことになるよ。

 

Question6 セカンドナッツも考えてみよう

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えっと、ボードにペアがあるからクワッズやフルハウスができてるんだよね。それでストレートフラッシュも今回はなしと。あれ?じゃあナッツってAAのクワッズなんじゃない?

うん、正解だよ。じゃあセカンドナッツは?

えっと、クワッズはAAの1種類しかできないから、次に強いのはフルハウスかな。だから、AKとか?

そうだね。セカンドナッツはフルハウスの中で最強のAKだよ。

やった!

じゃあ、もう一つ質問。自分がAKを持ってるとき、ナッツは何かな?

え?だってさっきAKはセカンドナッツって言ってたじゃん。ナッツはAAなんじゃないの?

ううん、それだとAが5枚あることになるでしょ。自分のAKで既にAが1枚使われてるから、相手がAA、ボードにAが2枚だと、合計5枚になっちゃうよ。

あ、そっか。じゃあ、相手はAAを持ってないんだ。

そうなんだよ。だから役の強さとしてはAAのクワッズが最強なんだけど、枚数的に存在しないんだね。だから、現実的には自分のAKがナッツということがわかるんだ。

 

まとめ〜ナッツの見つけ方〜

「今、どんなハンドが一番強いか」を考えながらプレイすることがポーカーでは重要だよ。その簡単な練習のためにこのクイズを作ってみたんだ。

ねえ、結局ナッツってどうやって見つければいいの?どんなボードでも使える公式とかないの?

一番強い役から探していくしかないんだ。ストレートフラッシュはなし、次がクワッズはなし、フルハウスもなし・・・ってな感じでね。

ふーん、めんどくさそうだなあ。

すぐに慣れてパッとわかるようになるよ。それに、「同じスートが3枚あるとフラッシュ」、「ボードにペアがあるとクワッズ&フルハウス」は公式っちゃ公式かもね。

なるほど、さっきの問題でも何回も出てきたね。

このクイズで少しでもポーカーに興味を持ってくれるとうれしいよ。ほかの記事もぜひ読んでみてね。

海外カジノ遠征記 ~マニラ7,8日目・セットオーバーセット~

マニラのカジノ飯(4)

今日は日本食が食べたくなってね、World Resort Manilaの2階のMr.KUROSAWAに来てみたよ。

Mr.KUROSAWA ★★★☆☆

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寿司!ラーメン!

このいかにもな日本感がたまらないよね。今日はあまり体調が良くなかったから、ナマモノは控えてラーメンにしておいたよ。あ、そうそう、この店にも生野菜があったんだ。

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The Salad Bowl..."of life"?どういう意味?

ああ、我が人生のサラダ!ってことなんかな・・・。よくわかんないけどSpicy Tuna Saladとチャーシュー麺を頼んでみたよ。

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天井には侍のパネルが。

あ、店名のKUROSAWAって『七人の侍』の黒澤監督のことなんじゃない?

なるほど、それが元ネタなのかもね。

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ってなことを考えてたらチャーシュー麺が来たよ。うん、これはフードコートの味だね。

フードコート?

ほら、高速のサービスエリアとか、スキー場とかにあるアレだよ。

ああ、麺もスープも業務用だけど、スキーしたあとに食べると妙においしいやつね。

そうそう。まあまあおいしかったよ。この辺ではあんまりスープ料理ってないからさ、醤油ベースのスープがうれしかったなあ。

チャーシューも割といっぱい入ってるね。

うん。チャーシューは炙ってあっておいしかったよ。お値段400ペソ(800円)。満足したよ。

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こっちはSpicy Tuna Salad。サニーレタスの上にマグロの竜田揚げとカルパッチョが乗ってて、上にマヨネーズと七味がかかってるよ。

結局ナマモノ食べてんじゃん。

だって、ツナサラダっていったらツナ缶みたいなのを想像してたからさ。まさかカルパッチョ風だとは思わなかったよ。

写真じゃわかりにくいけど、結果大きな皿で来たね。

うん、これは2人前だね。値段は350ペソ(700円)ぐらいだったかな。
ラーメンが食べたいときはここがいいかもね。空いてたからかもしれないけど、料理も結構早く出てきたし、概ね満足してるよ。滞在中、もう1回ぐらいは来ようかな。

 

ゲーセンに行ってみた

実はWorld Resort Manilaの5階にはゲームセンターがあるんだ。GAME ZOOだって。

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せっかく1階にカジノがあるのに、わざわざゲーセンを作るなんて変な感じ。

だよね。逆に気になって入ってみたよ。

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小さい子向けの遊具がたくさんあったよ。

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あ、私これ好き。

エアホッケーか。ついムキになってやっちゃうよね。

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PS4かな?家庭用ゲームとモニターがあるね。

ちっちゃい子がGrand Theft Auto的なゲームを黙々とやってる。それを後ろで見守る私たち・・・。シュールだね。

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うん?これは?

KTVってのはカラオケテレビの略だよ。

ゲーセンにカラオケ!新しいね。

多分このゲーセンは子連れのための場所なんだろうね。ZOOって名前も子供向けだし。

なーるほど。お母さんとおばあちゃんがブティックで買い物をしてる間、お父さんと子供はここで待機ってわけか。カラオケは時間つぶすのにうってつけだもんね。

さて、そろそろカジノに向かおうかな。常連たちのプレイスタイルもわかってきた頃だし、今日はこれまでより大胆にアジャストしていきたいな。

 

今日の戦績

今日も100/200(2/4$)はプロたちに荒らされてたよ。

彼らとはあんまり一緒にやりたくないよね。

平日はそろそろ別のカジノを検討するべきかもね。仕方ないから50/100(1/2$)をプレイしたよ。

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まずまずじゃない?

うん、トータルの時給は下がったけど、今日までツイてたからね。僕の実力で50/100(1/2$)を打つと、長期的に見てこのくらいの時給だと思うよ。

今日のテーブルはどうだったの?

今日はとりあえず50/100をリザーブしたんだけど、しばらくしたらコーリングステーションの常連さんがやってきたんだ。

太客が来たッ!

いつも300bbくらいを置いてルースにプレイするおじいさんだよ。何としても彼と同じテーブルに座りたかったから、一度リザーブを取り消して、おじいさんのすぐ次にリザーブし直したんだ。

ウェイティングリストの隙間を調節したわけね。

しばらくしたら無事新しいテーブルが立てられて、おじいさんと一緒に座れたよ。

執念だね。

今日は序盤でいきなり大きなポットが取れたんだ。ツーペアでトリプルバレルを打ったらコールしてもらえてね。ありがたかったよ。

でも、そのあとの6時間は何をやってもダメだったな。リバーでまくられたり、ただのトップペアでポットの2倍のオールインをしてきてツーペアを降ろされたりで、耐える時間が続いたよ。

うーむ、6時間はしんどいね。

うん。でも、ライブポーカーは進行が遅いから、ひどいときは1週間ぐらいツイてないときもあるけどね。

あ、でもね、今日は一つ良いプレイがあったんだ。もしかしたら今回の渡航で最高のプレイになるかもしれないね。

なになに?

 

今日一番のプレイ

pokerbankrolltracker.net

1/2$ BB 2s2d
UTG2 UTG3 CO BU SB Limp, BB x
2c3h7cTc6d
x x b10 f f r25, f c r100, c f
x x
b50 r200 c
BU shows 7d2d, UTG2 shows 3s3c

フロップでセットオーバーセットをフォールドできたのは初めてかも。1分くらい時間を使って考えたよ。

おお、大事故を回避したんだね。

うん。自信があったわけじゃないけどね。UTG2が33をショウしたときは心からホッとしたよ。
何を考えてフォールドしたのか、順番に説明していくね。

 

テーブルはルースプレイヤーだらけ

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まず、フロップに参加してる6人のうち、僕以外は全員が超ルースなプレイヤーだよ。

全員がすごく広いレンジを持ってるんだね。

うん。あと、UTG2はリンプインするレンジにAAが入ってるんだ。以前にそういうプレイを見たからね。
それでBBの僕はフロップでボトムセットができたんだけど、UTG2の大きなベットに対してBUが2.5倍にレイズしましたと。

BUはどんなハンドを持ってるのかな?

 

BUに対するリーディング

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このBUはルースだけどパッシブなプレイヤーで、めったにレイズしないんだ。例えば彼がGSSDを持ってるとき、オッズに合わないベットを打たれてもコールしてるのを何度も見てるからね。弱いドローでのレイズをまだ一度も見せてないんだ。

でも今回のBUはレイズしてきましたと。

しかもSB、BB、UTG2の3人に対してレイズしてるんだね。だから、僕はこのBUのレイズは限りなくブラフが少ないだろうと考えたよ。具体的にはツーペア、セット、強いコンボドロー、最も弱いハンドでもQQかJJかなと。QQとJJはレイズしない可能性も高いけどね。

BUがAAとかKKを持ってる可能性は?

全くないわけじゃないけど、プリフロップでAAのリンプレイズ(リンプインして、相手のアイソレートに対して3ベット)を狙ってたなら、BUからリンプインするのはちょっと無謀じゃないかな。SBとBBのたった2人に「アイソレートしてくれ!」って頼むわけだからね。

しかも、BBに座ってるのは超タイトにプレイしている僕なんだ。BUは僕がアイソレートするレンジが狭いことはわかってるはずだから、なおさらAAでリンプレイズを狙ってたとは思えないよね。

ふーむ、なるほど。

ってことでBUのレンジを強い順に並べると、

  • セット・・・・・・77、33→6コンボ
  • コンボドロー・・・5c4c、Ac4c、Ac5c、6c5c→4コンボ
  • ツーペア・・・・・7d2d、7d3d、7s3s、3d2d→4コンボ
  • オーバーペア・・・(QQ)、(JJ)→6コンボ
    合計 20コンボ

カッコはレイズする可能性が低いから半分にしてあるんだね。

Ac3cのような3のペア+フラッシュドローは今回は除外してるよ。BUなら単にコールするんじゃないかな。

このBUのレンジと僕の22を比べてみると、77と33以外にはフェイバリット(勝率50%以上)だよ。最も強いコンボドローの5c4cに対してもフルハウスの目が残ってるから、60%ぐらいの勝率があるんだ。

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ふむふむ。BUのレンジの20コンボのうち、セット以外の14コンボには勝ってそうだと。

じゃあ、次にUTG2のレンジを考えてみようか。

 

UTG2に対するリーディング

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さて、このUTG2は下手なルースアグレッシブで、フロップでペアかドローがあったら何でもベットしてくるタイプだよ。

今回も大きなベットをしてきたね。

ただし、いくらルースアグレといえども今回は6人戦でポジションもないからね。残り5人に対してGSSDなんかでベットしてくるかは微妙だね。
あとは55やA3oなんかの弱いペアでもベットしないことのほうが多そうだと考えたよ。

実際には気の迷いでA3oでベットすることもあるかもだけど、ライブポーカーはレーキも高いし、相手のレンジを少し強めに想定してるんだ。

ふむふむ。

ただし、さっきも言ったように、UTG2はリンプレイズ狙いのAA、KKはあり得ると思ってるよ。以上のことを全部考慮すると、UTG2のレンジは大体こんな感じじゃないかな。

  • セット・・・・・・77、33
  • コンボドロー・・・5c4c、Ac4c、Ac5c、6c5c
  • ツーペア・・・・・7d2d、7d3d、7s3s、3d2d
  • 強いペア・・・・・(AA)、(KK)
  • 弱いペア・・・・・(88)、A7、K7s、87s、ほか多数
  • フラッシュドロー Ac6c、KcTc、ほか多数
  • OESD・・・・・・5h4h、5d4d、5s4s

あれ、コンボ数が書いてないね。

うん。ここでは「UTG2のレンジ全体より22のセットのほうが勝率が高い」ということだけ確認しておけばひとまず十分だよ。

ふーん。

これでヒントはすべてそろったよ。UTG2ベット→BUレイズに対して、BBの僕はコール・3ベットのどちらを選択すべきかな?

 

基本に立ち返って考える

コールか3ベット・・・。うーん、どっちも有力そうに見えちゃうなあ。

そうなんだよ。だから僕はこう考えたよ。「勝っているときは利益を大きくし、負けてるときは損失を小さくできるようなアクションを選ぶべきだろう」。

そりゃそうだよ!でも、それがアクションとどう結びつくのかがわかんないよ。

例えば、UTG2がA7を持っていたとするよね。BUのレイズに僕がコールすれば、下手な彼もTPTKでコールするかもしれない。でも、タイトな僕が3ベットを打つと、さすがのUTG2もフォールドする可能性が高いよ。
だから、僕の22がUTG2に勝ってるなら、コールを選んだほうが利益が大きくなるんだ。

うん、そりゃそのほうがUTG2からチップが取れそうだよね。でもさ、3人でターンを戦うリスクがあるんじゃない?3ベットしてBUとヘッズアップにしたほうがいいのでは?

いや、その心配はないよ。これを見てごらん。

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A7って7%しか勝率ないの!?

僕は既にセットができてるから、Aや7がアウツにならないんだね。ちなみに、UTG2がAAやKKを持っていても勝率は同じく数%だよ。

もう一つ見てみようか。今度のUTG2はフラッシュドローだよ。

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UTG2の勝率が上がったけど、ジョーズくんの22の勝率も上がってる!?

うん。UTG2とBUが互いにフラッシュのアウツを食い合ってるから、相対的に僕のセットが強くなったんだね。

僕にとって最悪のシナリオはこれだよ。

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UTG2がKTのようなフラッシュドローを持っていて、BUが73なんかの僕よりも弱いツーペアやワンペアを持っていたときだよ。その場合はフロップで僕は3ベットを打ってフラッシュドローをフォールドさせて、BUとヘッズアップに持ち込むほうが良いだろうね。

でも、それはレアケースだし、それにこっちにはフルハウスのドローもあるから、万一UTG2にフラッシュを作られてもペアボードになれば逆転できるんだ。だから、そこまで絶望的な状況ではないよ。

なるほど・・・。つまりコールして3人でターンを戦っても、リスクに大きな変化はないんだね。

そうなんだよ。それならUTG2をターンに連れて行ったほうが、バリューが多く取れそうなんだね。

相手にアクションを委ねて情報を得る

じゃあ、逆に今度は僕がUTG2かBUに負けてる場合を考えてみようか。つまり、UTG2かBUの少なくとも一人が77や33を持ってる場合だね。この場合、損失をより小さくするアクションはやはりコールなんだ。

3ベットをするとどうなっちゃうの?

3ベットをすると、77や33を持ってるどちらかのプレイヤーは二つの選択肢があるよ。4ベットオールインを返すか、3ベットにコールするスロープレイだね。僕はいずれにしてもコミットしちゃうんだ。スタックサイズとポットの割合(SPR)的に、いつかボトムセットで相手のオールインにコールせざるを得ないんだね。

うーむ、自分はアイソレートして勝率を上げるために3ベットを打ったのに、それが裏目に出てコミットしてしまう。こんなはずじゃなかった・・・ってことか。

うん。損失を大きくしてしまってるから、それだけは避けたいんだ。だからここはBUのレイズにコールで止めておいて、2人のアクションを見てまた判断すると良いんじゃないかな。

というと?

例えば、僕がBUのレイズにコールして、UTG2が3ベットを打ったら、UTG2が弱いワンペアやドローを持ってる確率は格段に下がるよ。その3ベットに対してルースパッシブなBUが4ベットオールインをしたときには、もうそれは最低でもツーペア、ほぼセットが濃厚になるんだ。

なるほど。そういう展開になれば、22をフォールドできるはずだと。

うん。そのほうが損失を最小限に抑えることができるんだ。実際、UTG2から3ベットが飛んできたね。BUはコールを選択。かなり際どいけど、僕は2人のうちどちらかがセットを持っている可能性が高いと見てフォールドしたんだ。

3ベット→3ベットコールだもんねえ。すごく強そうだよ。でも、もし2人ともセットを持ってないとしたら、どんなハンドを持ってるんだろ。

UTG2がツーペアの7d3d、BUがコンボドローの5c4cとかかな。あるいはUTG2がAA、BUが5c4cとか?あんまりパターンの数としては多くなさそうだよね。

2人がどんなハンドを持っているときにこのプレイラインを取るのか、100%の精度では読みきれないね。だから最後まで自信はなかったけど、僕の22が2人に勝ってる可能性のほうが低いと判断して、今回はフォールドしたよ。

結果的に良かったね。UTG2は33を持ってたんでしょ?・・・っていうかBUは72のツーペアって、すごいの持ってるなあ。

まさか僕の最後のアウツの2までBUに押さえられてるとはね。フロップの時点で僕の勝率は0%だったわけだ。

怖ッ!

さて、ここまで読んでくれてありがとう。今日はつらい展開が続いたけど、良いプレイができて満足してるよ。次回は別のカジノに行ってみようかな。次回もよろしくね。

 

収支(~8日目) $1555.00

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海外カジノ遠征記 ~マニラ6日目・テーブルの選び方~

マニラのカジノ飯(3)

World Resort Manilaの食事処を紹介するマニラのカジノ飯!も3回目だね。今回は2階のJohnny Chowに来たよ。ここが大当たりの店だったんだ。

Johnny Chow ★★★★★

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中華のお店かな?

うん。ここがメニューも豊富で味も最高だったんだ。

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麺類はビーフン(Hofan)から揚げそばまでいろいろあるよ。下の写真はパッタイ(平打ち麺のタイ風焼きそば)。甘辛いタレの焼きそばにライムを絞って食べるんだ。

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こっちは野菜の炒めもの。ブロッコリーとキノコの炒めものを頼んだよ。食感がたまらないね。

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飲茶だね。今回は頼まなかったけど、隣の席で食べてた海鮮焼売がおいしそうだったなあ。次は絶対食べようと心に決めたよ。

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こっちはサラダ。マニラでは新鮮な生野菜がなかなか食べられないんだ。だからこのページを開いたときはめちゃくちゃ嬉しかったなあ。

サラダでそんなに!?

しばらく肉と米とビタミン剤の生活だと、やっぱり野菜が食べたくなるんだよ。今回はこのNIRVANA SALADを頼んだよ。

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ニルヴァーナって、涅槃(ねはん)・・・?

何が涅槃なのかはさっぱりわからなかったけど、すごくおいしかったよ。四角くて白いのは揚げ豆腐で、甘酸っぱいドレッシングとベストマッチなんだ。

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チャーハンだね。これもおいしかったなあ。お米は現地のインディカ米なんだけど、水分が少ないだけあってパラパラだったよ。上の乗ってる細長いのは錦糸卵。

家で作るチャーハンってどうしてもベタッとしちゃうよねー。でもインディカ米なら勝手にパラパラになりそう。

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とどめにもう一皿、フルーツの盛り合わせも注文したよ。マンゴーがめちゃくちゃおいしかった。さすが南国だね。

おー、美味しそう・・・ってちょっと食べ過ぎじゃない?

同行者のフィッシュかもと2人で来たんだけど、それでも食べきれなかったよ。でも大丈夫。そういうときは持ち帰りができるんだ。

そっか、そういえば海外って持ち帰りができる飲食店が多いよね。店員さんに何て伝えればいいの?

英語で「持ち帰りボックス」はそのまま"box"なんだ。Could I get a box for this?でちゃんと通じたよ。

さて、おいしい中華と久々の生野菜を堪能したところでカジノに行こうかな。今日も勝つぞ!

 

 

今日の戦績

今日も100/200(2/4$)の200bbスタックでプレイしたよ。

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うんうん、いい感じで勝ったね。

今日はね、100/200のテーブルが既に満席で、とりあえず席をリザーブしたんだけど、テーブルには上手いプレイヤーが5人も座ってたんだ。

うーん、やりたくないね。

うん。こりゃダメなテーブルかもなと思ってほかのテーブルを物色してたんだけど、100/200のリザーブが9人に達したから新しいテーブルが立てられたんだ。ニューフェイスの韓国人が2人、僕、フィッシュかも、そのほかの5人は全員アジャストしやすいプレイヤーばかりだったよ。

残り物には福があるってね。

うん、ラッキーだったね。先に立ってたテーブルからしたら「俺たち、フィッシュもろくにいないテーブルで何やってんだろ・・・」ってなもんだよね。
そうだ、今日はライブポーカーのテーブルセレクションについて話そうかな。

テーブルセレクション?

カジノのプレイヤーたちは本当に千差万別だよ。UTGから82sでリンプインするルースなプレイヤーもいれば、3ベットレンジがAAとKKしかないプレイヤーもいるんだ。

ピンからキリまでなんだね。

中でも最もアジャストしやすく、なおかつ大きな利益を出せるのがコーリングステーションだよ。その次が下手なルースアグレッシブかな。

どうしてその二つなの?

どちらのプレイスタイルもポットを大きくしがちだからだよ。コーリングステーションはなかなかフォールドしないからショーダウンまで行きがちだし、下手なルースアグレは負けてるハンドでベットやレイズを繰り返すんだ。

なるほど。その二人に上手くアジャストすれば、たしかに高い時給が出せそうだね。

でも、いつもコーリングステーションやルースアグレばかりのテーブルに座れるわけじゃないんだな。タイトなプレイヤーもそこそこいるしね。

そこで大事になるのがテーブルセレクションだよ。アジャストしにくいプレイヤーが多い、あるいはアジャストできるけどあまり時給が出ないテーブルは早々に離れて、もっと良いテーブルを探すんだ。

探すって、具体的には?

ここは美味しくないなと思ったら席を立って、他のテーブルの面々を見に行くんだ。それで「この席は!」という物件があれば移動するのさ。

移動って、そんな簡単にできるの?

うん、リザーブされてる席でなければ自由に移動できるよ。

へえー、席の移動なんて考えたことなかったなあ。目の前のハンドをプレイすることで精一杯だったよ。

あと、テーブルのメンバーだけじゃなくて席順も大事だよ。ルースアグレに対してはIPを取ることが大事になるから、できるだけルースアグレの左側に座りたいね。

あ、アジャストの記事でもそんなこと言ってたね。

逆にタイトなプレイヤーに対しては積極的にブラインドスティールを仕掛けたいから、できるだけタイトの右側に座りたいかな。とはいえ、3ベット率が高かったり、上手いタイトプレイヤーなら一概にそうとも言い切れないけどね。あくまでも傾向だよ。

ふむふむ。コーリングステーションに対してはどこに座ればいいの?

それはどこでもいいんじゃないかな。アグレッシブにベットやレイズをしてこないし、バリューベットにはいつでもどこでもコールしてくれるし・・・。

つくづく不遇なプレイスタイルだね、コーリングステーションって。

あと、究極のテーブルセレクションは別のカジノに行くことだね。何日間かずっと同じカジノでプレイしてると、常連に顔やプレイスタイルを覚えられちゃうんだ。こっちの大きなバリューベットにコールしてくれなくなるからね。

そ、そこまでするんだね。

うん。テーブルセレクションは時給に直結するよ。適当なテーブルに座ってタイトにプレイしてればお金が増えていく、そんな簡単な話ではないんだね。自分の目と足でフィッシュを探しに行くことが大事だよ。

さて、今日はこんなとこかな。そろそろ日本食が食べたくなってきたなあ。次回もよろしくね!

 

収支(~6日目) $1414.00

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